ハンコと印鑑の違いって何?
宅配便を受け取るときや銀行、アルバイトの書類など、
日常生活の中で何かと頻繁に使っている「印鑑」。
「ハンコどこだっけ?」・・・なんて言って探したりしていませんか?
「印鑑」と「ハンコ」、同じ意味なのでしょうか?
なかなか咄嗟に説明できない違いと意味を調べてみました!
二つの言葉の違いは?ハンコと印鑑
何気なく使っているこの二つの言葉ですが、実は明確な違いがあります。
『ハンコ』
→個人や組織がその当事者であるということを証明するしるし。
切り口は円形、楕円形、角型などをしており、全体は棒状。
『印鑑』
→捺印した時に紙に残った文字や絵のことを指す。(≒印影)
つまり本来『印鑑』とはあの本体ではなく、書類に押した文字・・・
「田中」とか「高橋」とか・・・ああいう文字のことを指す言葉なんですね。
本体が『ハンコ』なので「ハンコどこにやったっけ?」という使い方は
文法的にはおかしくないわけです。
ところが「この書類に印鑑を押してください」というのは間違いなわけですね。
印鑑は押せない。
時代劇なんかでも、将軍だとか偉い人が大事な巻物などに
大きなハンコを押したりしていますね。
戦国武将・織田信長が自分の目指す世の理想像をあらわす言葉として使っていた
「天下布武」という文字が現代でも見つかっていたりします。
直筆以外に自分のサインを残す、という行為は、昔からあったシステムだったのですね。
ただ、明確に言えば「印鑑を押してください」や「印鑑を持ってきてください」などの
言い方は間違っているのですが、
最近は『印鑑』を『ハンコ』と同じ意味で使われることも多くなり、
同じ意味だと思っている人がほとんどでしょう。
実際「印鑑を持っていくことはできないんですよ(笑)」とか言ったら
「は?」って返されそうですもんね・・・(^^;;
アルバイトの面接に受かって書類を書く、となった時にも
「印鑑持ってきてください」なんて言われますし。
「正しい日本語も使えないなんて情けない」なんて言う人もいらっしゃいますが、
言葉は時代とともに変わっていくもの。
平成に正しい意味として使われている言葉だって、
数百年前には全然違う意味で使われていたりしたのです。
「正しさ」というものは曖昧で、すぐに移り変わるものだと思うんですね。
だからといって乱れた日本語を支持するわけではありませんし、
美しい言葉遣いが出来るに越したことはありませんが、
一番大事なのは「相手に伝えること」ではないでしょうか。
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